2012年7月18日

はじめてKindleを使う人の7つの疑問を解消します



ついに日本上陸が正式に発表されたアマゾンの電子書籍端末Kindle。


Kindleって、アメリカのアマゾンで発売されて久しいので、名前だけはよーく知られています。

が、端末はいくらするのかとか、仕組みはどうなっているのかなど、基本的な事実があまり知られていないように見えます。

この際ですから、日本上陸前にKindleに詳しくなっておきましょう。



2012/10/26追記:
ついにKindleが発売決定しました。最新情報をピックアップしました。


Kindle国内上陸 - 「晴天の下で読める?」等気になる点を購入前にチェック

Kindleの基本

1. Kindle本体はいくら?大きさはどれくらい?バッテリーの持ちは?

実は、日本で展開する端末の価格やサービス内容は現時点で未定。でもいくつか参考になる情報はあります。


まず、Kindleと一口に言っても、現行製品は6種類もあります。


これを整理しておきましょう。

Kindle 79ドル。

タッチパネルなしで、カーソルキーとボタンで操作する最廉価版。

ディスプレイ6インチ。内蔵ストレージ4GB。
Kindle Touch 99ドル。

タッチパネルがついた端末。通信はWiFiのみ。

ディスプレイ6インチ。内蔵ストレージ4GB。
Kindle Touch 3G 149ドル。

Kindle Touchに3G通信機能がつき、どこでも通信できる端末。

ディスプレイ6インチ。内蔵ストレージ4GB。
Kindle Keyboard 3G 139ドル。

タッチパネルの代わりにキーボードがついた端末。WiFi通信、3G通信機能付き。

ディスプレイ6インチ。内蔵ストレージ4GB。
Kindle DX 379ドル。

キーボードがついて、画面がでっかい端末。お年寄りも優しい大きな文字・・ではなくて、もちろん表示できる情報量が増える。

ディスプレイ9.7インチ。内蔵ストレージ4GB。
Kindle Fire 199ドル。

一番有名な型番ですね。カラー表示、マルチタッチパネル。WiFi通信機能付き、3G通信機能はなし。

ディスプレイ7インチ。内蔵ストレージ8GB。


Kindle Fire以外は、すべてモノクロ端末です。


バッテリーの持ちですが、カラー端末のKindle Fire以外は、WiFiオフの状態だとなんと1ヶ月~2ヶ月。感覚的には、半永久的に使えるに近いです。


ところが、カラー端末のKindle Fireになると、とたんに「連続読書時間8時間、または連続動画視聴時間7.5時間」と普通のタブレット並みになってしまいます。バックライトが電池を食うんでしょうかね?


手に持った感じは、こうなります。




この6種類の端末のうち、どれが日本で発売されるのかはまだ未発表ですが、Kindle Fireはまず確実でしょう。


何にいくらかかるの?

2. 通信料はいくら?

ここが画期的、かつ国内の事業者が戦々恐々としている点ですが、3G回線の通信料はどれだけ使ってもなんと「無料」です。


国内ではドコモの回線を利用します。しかし、利用者がドコモと直接契約をする必要すらなくて、Kindleを買えば、いきなり上限なしで通信料無料で3G回線が使えるのです。


アマゾンが通信料を負担しているので、こんなことが可能になります。これはかなり画期的ですよね。


3. 電子版は紙の本と比べて安いの?

アメリカのアマゾンで見る限り、電子版は紙の書籍の定価に比べて20%程度安く設定されています。

ただ、アメリカでは書籍はどこの本屋でも同じ価格というわけではなく、安売り本屋というものがあって、定価の20%引きくらいで(もちろん新品)売られています。


日本では新品の書籍は定価で売るのが原則ですから、もしかすると日本上陸の際には紙の本より安くなるかもしれません。


しかし、Amazonの日本上陸に関しては、こんな話題も出ています。


2011/10/29の記事。アマゾンの契約書に激怒する出版社員

この記事の要旨は、アマゾンが法外なロイヤリティを要求しており、大手出版社はどこも相手にしないだろうというもの。


そして、数カ月後、2012/4/17にこんな記事が出ています。

アマゾン電子書籍、40社と配信合意 学研・PHPなど


40社というとすごい数のように聞こえますが、合意に至った出版社の名前をよく見ると、大手~中堅と言ってよいのは、学研、主婦の友、PHP研究所の3社のみで、残り37社は「3社より小規模な出版社」とのこと。


つまり、現状では、国内で流通しているほとんどの書籍は、Kindleで買えないということです。


Kindleは、かけ声ばかりが先行して一向にモノが出てこない背景には、こんな「権利交渉の難航」があるのかもしれません。


使い勝手は?

4. 立ち読みはできるの?

Amazonには、「なか見!検索」という「立ち読み」機能がすでに用意されています。Kindle版でも同じで、冒頭の数十ページを読むことができます。


5. 活字の読みやすさや扱いやすさは?

iPad、Galaxy Tabletと比較してみました。


Kindle Fire iPad2 Galaxy Tab
ディスプレイ 7インチ 9.7インチ 10.1インチ
解像度 1024x600 (169ppi) 2048x1536 1280x800(149ppi)
サイズ 190mm(H)×
120mm(W)×
11.4mm(D)
241.2mm(H)×
185.7mm(W)×
9.4mm(D)
256,7mm(H)×
175.3mm(W)×
8.6mm(D)
重さ 413g 662g 565g
バッテリー 8時間 9時間 9時間


6. Amazon以外のフォーマットはサポートしているの?

Kindleは、Kindleフォーマットという独自のフォーマットのファイルと、プレーンテキスト、それにPDFとHTMLがサポートされます。


各社独自の電子書籍フォーマットはサポートされません。


ですから、他の電子書籍マーケットから購入した独自フォーマットのものは、いったんPDFやHTMLに変換すればKindleで読むことができます。まあ、そこまでしてKindleで読む必要はないかもしれませんけど。


エンジニアとして気になるところ

7. Kindleで自作の本を売ることはできるの?

国内では、まだ体制が整っていないようですが、アメリカでは自作のコンテンツを売ることができます。


作家が自分のコンテンツを直接アマゾンの流通に乗せることができるような仕組みが用意されています。



自作の本をアマゾンで売るための公式ガイドブックもあります。
[Amazon.com: Publish on Amazon Kindle with Kindle Direct Publishing eBook: Kindle Direct Publishing: Kindle Store]



また、Kindleの中身は実はAndroidなんですね。ですからAndroidアプリを作れば自動的にKindleでも動作する(はず)です。

Kindle用のSDKも用意されていて、Kindle固有の機能にアクセスすることもできるみたいです。

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